ビジネス
アメリカのバーでいつも思うことは、商売が上手いなぁということである。サンフランシスコには3つのゲイエリアがある、カストロは世界的にも有名、ポークストリートは古くからのエリア、そしてSOMAと呼ばれる地域が振興地域だ。全て合わせると30くらいだが、カストロだけで20件を超える。殆どの店の定員は100名を超える。日本と同じように客層のカテゴライズがハッキリしていて、若専、老専、レズビアン、等バーの他にベア・バー、レザー・バー、アジア人専バー、黒人専バーなど日本には無いジャンルもある。
(サンフランシスコ Lonestar saloon のバーテンダー)
(同店の「パティオ」加州ではバーでも屋内では禁煙のためタバコその他を吸うためには屋外に出る必要がある、レザーバーではパティオは必須である)
営業形態は、たぶん全ての店でキャシュオンデリバリーであろう。バドワイザー小瓶1本3.5ドルが相場である。もちろん、通常これにチップが加わる。
よっぽど暇でない限り、バーテンは無駄に客と話をしない。マクドナルドのカウンターの如く、客から注文を受け、ビールの栓を開けまたは、カクテルをつくって客に渡し、金を貰いレジスターへ打ち込み、釣りを渡す。この繰り返しである。客のとぎれたところを見計らって、カウンターの外の開いた瓶やグラスを片づける。本当によく働くと思う。特に週末は、休む暇のない程の「肉体労働」である。また、彼らの収入の大きな柱は「チップ」であるが、週末は多分チップだけでもひとりのバーテンが100ドルを超えるであろう。アメリカのバーは「安い」と思っていたが、よく考えてみると、物価水準から考えると、そんなに安いものではないと感じる。確かにビールは1本3.5ドルだが、そこにチップが1ドル、それを3回繰り返せば13.5ドル動くことになる。身近な価格で言うと、市内の地下鉄・バスは何処まで行っても1.25ドルである。今回旅行でスナックとして買ったカップヌードル6個パックが2ドルである。
イベントの週末には数百人単位で客が来る。そして一人10ドルくらいの金を落とす。まぁ、これは私の一番お気に入りのバーでの話ではあるが。
最近、SOMAエリアで老舗といわれていたレザーバーが閉店した。一昔は、ハッテ_ン目的で、バーのバックルームで乱交に近いものが行われていた。HIVが蔓延した90年代、市の保険当局からクレームが付き、バックルームが閉鎖され、その後固定客の層を掴めず閉店に追いやられた。マイプレースというバーである。
アメリカのバーの凄いところは、午前中、早ければ朝の8時から開いていること、法令で午前2時にバーを閉めなければならないこと、もし、21歳未満の未成年が店内に居るところを当局に見つかると、バーの営業免許を剥奪されるので、五月蠅いほど年齢チェックをすること、「ゲイバー」とは言え、「男性のみ入店可」などとすると「性差別」と訴えられるので、レザーバーなど場違いと思われる場所でも、好奇心に満ちた、ストレートの女性が居ることである。私は、マイプレースでとある行為をしている最中に女性を発見して萎えたことがある。
バーに限らず、サンフランシスコは、ゲイのビジネスが大変盛んである。バーやレストランはもちろん、地元で無料で配布されているゲイ新聞の広告には、不動産、法律家、会計士、保険代理店、旅行代理店、自動車整備、キリスト教会、クリニック、ジム、果ては葬儀社まで「ゲイフレンドリー」な会社が載っている。
確かに、Gay own and operate は数少ないが、ゲイをビジネスマーケットとするのは、商売上賢い選択であると思う。
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