Bear Contest
サンフランシスコで行われたIBR/International Bear Rendezvous の話題を引き続き書いていく。 今日の話題は「コンテスト」である。私はこのコンテストを知る前は、日本で行われている美人コンテスト、いわゆるミスコンを想像していた。当日会場で、美貌やセクシーさを審査員や観衆の前で披露して、単純に外見だけで決めるものだけだと考えていた。実際は大きく違ったのである。
まず、IBRのコンテストは、アメリカ、カナダでのベアコミュニティの最大のコンテストであり、各地のベアクラブでも同様なコンテストがあり、そこでの入賞者が全国大会の意味を含めて参加してくる。審査員も公募で選ばれる。
まず、出場者には色々な面で課題が課される。昨日書いたように、4日間にわたるイベントの間、出来る限り、色々な場面に顔を出し、名前と顔を覚えてもらう努力をする。パーティでは寄付を集めなければならない。今回は、事前に小さな熊のぬいぐるみを渡され、それを自分なりに飾り付け、その理由をコンテストの場で発表しなければならない。
コンテストは、途中の休みとエンターテイメントを含めて3時間である。昨年の入賞者達の紹介が行われ、彼らがこの1年間どのように過ごしたか、報告された。入賞者達は、全米各地で行われるベアイベントに自費で参加して、親睦を図ることとなる。昨年の最上位の入賞者は、数十のイベントに参加し、4万マイル以上の旅行をしたとのことである。
出場者全員の紹介が行われ、そのあと個別審査となる。ここで、その出場者がベアコミュニティの中でどのように活動してきたか、細かく紹介される。学歴、職業、年齢などは一切問われない。ここで、司会者から、軽い質問がなされ、それをどのように答えるかによって、観衆の反応が変わる。反応が良いものだと、点数が上がる。 次ぎに「コンテストスピーチ」である。これは出場者の内面を覗う重要な部分である。印象の深かったスピーチは、観衆がスタンディングオベーションで応えていた。
休憩後「Bear Wear」でのスピーチである。ベアコミュニティとレザーコミュニティは比較的近いものがあるので、レザーを中心にした裸でのスピーチである。ここでも、彼らが、どのようにしてベアコミュニティに参加し、これからどのようにこのコミュニティを発展させるかを、真面目に、ときにはジョークを交えて話していた。
全員のスピーチが終了した後に、審査が始まる。配点は明記されていて、100点満点で、チャリティの貢献度が10点、事前の審査員によるインタビューにおいて、個人のパーソナリティが25点、コミュニケーション・スキルが25点と配点が高い。
そして、コンテスト会場での人物紹介や熊らしさの点数が20点、スピーチやそれによっての観衆の反応で20点となる。
入賞は最高得点を得た人がInternational Mr.Bear となり、さらに3つのカテゴリーに別けられ、それぞれの中の最高得点者が、Mr.International Daddy Bear, Mr. International Grizly Bear, Mr.International Cubとなる。
発表の演出も見事で、私は友人が入賞したこともあって涙ぐんでしまった。
発表後、新旧のそれぞれの入賞者が壇上に上がり、入賞の喜びを分かち合っていた。その後、写真撮影が行われ、所属クラブ員や友人達とのハグが延々と続いた。
私は、二人の友人がこのコンテストに参加し、一人が入賞、一人が選外となってしまった。ふたりとも、ニューヨークのメトロベア(MBNY)の会員である。選外になった友人は、周到に用意して、万全の体制で臨んだはずだったが、やはり、同じカテゴリーの中での他者のスピーチが勝っていたことが、敗因だと感じた。選外になった友人のパートナーも知っている人だったので、彼らが、ここ数ヶ月準備していたことを思うと、かける声を無くしてしまい、ただ、ハグをしただけであった。同じMBNYのメンバーが入賞したので喜ばしい筈なのに、やはり、声はでなかった。
多分普通の日本人は「たかがコンテスト」と考えるともうが、大変真面目に運営されていて、入賞することはコミュニティの中で大変な価値を持つこととなる。
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