2011年問題
今年の新年のカウントダウンは、20年ぶりくらいに外で迎えた。 その居酒屋では3台のテレビが置かれていたが、それぞれ歌番組と格闘技を流していた。
行政主導の嫌なイメージがある「2011年問題」もあと5年となった。 これは、2011年7月に現行のテレビ放送が、全てデジタルに移行するというものである。
表向きは「電波の有効活用」と総務省は説明しているが、それだけでは説明がつくまい。 家電メーカは特需を狙っている。 白黒テレビからカラーテレビに移行したときのうようである。 しかしそのときと全く違うことがおきる。 白黒からカラーへ移行は、カラー放送になっても、白黒テレビは「カラー放送」を受信して白黒で視聴できたのである。 番組の冒頭で画面に「カラー」の文字に、白黒で見ていた者は、貯金してカラーテレビをかったのである。
2011年7月は、いままでの普通のテレビはそのままでは、絶対に画面が現れなくなる。 第一に周波数が現在のVHF帯からUHFに移る。 現在のテレビのほとんどがUHFが受信できるのだが、テレビ画像を電波に乗っける方式が「アナログ」から「デジタル」に変わるため、音声、画像とも全くダメになるのである。
その放送を見るためには、「コンバーター」と「UHFアンテナ」が必要となる。 多分、1万円以下で手にはいるとは思う。 デジタル放送の利点は、「ハイビジョン」が見られることであるが、これはそれに対応したテレビが必要となり、コンバーター組みは、単にいままでの同じ画質のテレビを観るために1万円+αの機器を新たに購入する必要に迫られる。
行政指導といったが、このように国民(と放送事業者)に大きな負担をかけて、現VHF放送帯を空けさせて、そこを何に使うかを、総務省は明らかにしていない。 これも何かオカシイと感じるのである。
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