障害者自立支援法案ってしっていましたか?
私はノンポリ(死語だろうなぁ)なので、あまり政治的なことのアンテナは働かない。
いままでの歴代首相もそうだが、現首相もまったくそのリーダーシップには魅力を感じない。 次の首相を務める「器」を備える人が与党から生まれないため、仕方がなく長期政権となっているに過ぎないと思う。 そのような人が郵政を民営化することだけに心血をそそぎ、その他のことを疎かにしているのは、私にでも解る。
年金問題しかり、中国問題しかりである。 現職閣僚に「中国は恐い国ですね~」とマスコミ向けに言わせる内閣が、他の国からみたら、なんてお粗末な国だと思われよう。政治手段、外交手段から言葉まで全く「洗練」された感じがないのである。
その郵政改革が大前面の国会討議の裏で、それに隠れるようにある法案が、提案され、成立されようとしている。「障害者自立支援法案」である。
http://www.mhlw.go.jp/topics/2005/02/tp0214-1.html
(厚生労働省HP)
お粗末な話しだが、私がこの法案を知ったのが先々週のことであった。
内容は「厚生労働省は2月10日、介護保険「改正」法案に続いて「障害者自立支援法案」を国会に提出した。630万人の身体障害者、知的障害者、精神障害者、障害児サービスに「自立支援給付」を行うことを定め、サービス利用に応じた応益負担(1割)の導入、食費・水光熱費等の自己負担化を狙うとともに、障害者施策をいつでも介護保険制度に統合できる仕組みに変えようとしている。」
「法案では、従来、公費負担医療と称していた精神通院医療(精神保健福祉法)、更正医療(身体障害者福祉法 18歳以上)、育成医療(児童福祉法 18歳未満)を「自立支援医療」などと呼び変え、医療費自己負担を1割とし、食費負担(標準負担額)を求める。一定所得(所得税・年30万円)以上の障害者は3割負担とする。これらについて、2005年10月施行を狙っている。
これにより国庫負担を38億円(2005年10月~06年2月)削減する一方で、三つの障害を合わせ180万人以上が負担増となる。
現在5%を負担する精神通院では、負担が倍化する。人工透析など更正医療を受ける患者の半数は住民税非課税世帯に属しており、現在自己負担はないが、これが1割負担(プラス入院すれば食費負担)となる。「重度かつ継続」の範囲や月額上限は当面の緩和措置に過ぎず、2~3年以内に見直される。」(以上「全国保険医新聞」より引用)
という内容である、となると、現在HIV感染者で、身体障害者手帳を交付されている方も、当然関係あるとだともうが、このことに対して、何か論議を交わされてているのを、私のアンテナは拾わなかった。
HIVの治療は、まずは発病しないための薬物医療が中心となっているが、その薬物の価格が非常に高い。 例えばAZTは1錠381円もする。これを標準処方では1回1錠、1日に3回で月34290円。新しいddCなど1錠768円もする。標準処方では1回2錠、日に3回、月に138240円となる。 ここに、各種検査費、再診費、その他の医療費が請求される。 現在は、殆どの場合、国民健康保険や健康保険から「高額医療費」補助制度と、手帳による更正医療で、実際に医療機関に支払う金額は、現在はそれほどでもないときいている。
厚労省サイドにたてば、なんとしてでも「経費」を削減したい。 いわゆる「バラマキ福祉」を見直して、裕福に収入のある人からは応分負担してもらいたい。 というタテマエが伺える。そして「タテマエ」をふまえ、いままで、無料か極少額を負担している人にも網をかけ、見直して、少しでも負担できる人は、それなりに、負担して貰う、ということが「ホンネ」であろう。
利用者サイドから見ると、新制度になると経済的に負担が増えることは、間違いないようだ。 どの程度負担増になるか現実的には見えないが、極少数の場合を除いて、支払う医療費が増える。
いままでも、これからもこれらの事業に支払われる原資は我々の「税金」である。そして、その使い途を決めるのが国会で、議員を選んだのは、我々なのである。 冒頭に私は「ノンポリ」と書いたが、現在の政治をみていると、悲しくなる。 将来の日本の展望がまったく見えないのである。 感じられるのは、「悪くなる」という確信に近い感覚だけである。
何か行動せよとは思わないが、もう少し、今の日本、これからの日本を考える姿勢が日本人には必要なのではないかとおもう。 今我々が支払っている年金が、65歳支給開始年齢が繰り下がったり、消費税率が上がったり、健康保険や介護保険料が上がってサービスが下がったり。 こんな事が実際に起こりそうになっても、日本人は、黙って見ているんだろうな。
野党も全く力が無く、机上論だけ振り回して大方の日本人を「ノンポリ」にさせている、という自覚を持っていない。
たぶん、この法案は郵政民営化案の裏で、あっさり成立して今年の10月から施行されるであろう。
(一応「ノンポリ」の解説 「はてなダイアリー」からの引用)
〔nonpolitical の略〕政治問題に対して無関心であること。また、そういう人。
三省堂提供「大辞林 第二版」より
もともとは学生運動家から一般学生に向けられた煽りで、バカにしたひびきがあった。それに対して、学生運動の党派性を皮肉って左翼系の学生が自称したのが「ノンセクト・ラジカル」。60年代後半くらいの言葉。
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