イベントと寄付金
時差ボケで体内時計が狂い、こんな時間に書いている。 今回加州へ行ったのは、前に記した「インターナショナル・ベア・ランデブー」という催しに参加するためであった。この催しは主催は、NPOの「ベアーズ・オブ・サンフランシスコ」という団体が行っていて、当然ながら商業ベースではなく、チャリティ目的のイベントである。
営利を目的としていなくとも、企業からはパートナーシップ、スポンサーを得ている。 ホストホテルとして「ラマダプラザホテル」をほぼ貸し切り、そこに数百人の参加者を宿泊させる、今年で11年目を迎えるが、ホストホテルとの関係は良好である。参加者には宿泊費を特別に割り引いている。ホテル側としても、2月はオフシーズンであり、本来ならば旅行者が少ない時期ではあるが、木曜日から月曜日まで、ほぼ全館を満室に出来るので大きな収入源ともなる。同じ理由で、地元のバー、ハッテン_バ、がパートナーとなっている。共存共栄とでも言おうか、多分、この期間のこれらの商業施設で得られた利益の一部は主催者へ還元されるだろう。そのほか、スポンサーとして、地元企業、バー、ゲイビデオ制作会社、レザーショップ、ゲイ雑誌社、バドワイザー社などからもスポンサーとして、寄付を受けている。また、登録参加者全員に配布される、この催しのガイドを兼ねているブックレットにも広告が入り50弱の企業、団体が掲載料を払って載せている。また、このブックレットを含むパッケージには、ゲイディスコ、ビデオなどの広告も入っており、これも有る程度の金銭を主催者に払っている。
また、ベアをターゲットとしている、企業、例えばビデオ会社、ゲイフェティシュな衣装を製造・販売する会社、アクセサリー、キャップやTシャツ、今年はリラックス・マッサージもあった。ホストホテルのバンケットルームを利用した「展示・販売会」である。これらの会社からも当然、会場費を頂く。この販売会は、行事に参加登録していない人たちへも入場できるようにレイアウトされている。
(チャリティを集めるためにパーティでチケットを売るコンテスト参加者)
参加者レベルにおいては、金曜日、土曜日に行われたパーティで、懸賞付きのRaffle Tiketを買う。 ナンバー付きのキップのようなもので、5ドルとか10ドルで金額に応じた枚数、10枚か20枚かを受け取る。 後に抽選で、Tシャツ、キャップ、ビデオなどが当たる。この販売は、この催しのメインイベント「ベア・コンテスト」のコンテスト参加者に課せられる。そして、その売った金額は、コンテストの審査基準に影響する。2日間で、彼らは4000ドル(約42万円)の売り上げがあったと、後に報告があった。 もともと、このイベントの個人の参加費にも、若干のチャリティが含まれている。
この催しは、延べ200名を越す無償ボランティアのみで運営されている。 その活動は多岐にわたるが、およそ2時間のシフトで、無理の無いように、ボランティアも、この催しを楽しめるように考慮されている。
このようにして集められた寄付金は必要経費を差し引いた分は全てボランティア団体に寄付される。 今年はChildren of Lesbian and Gays Everywhere, Center for LGBT Art and Cultureなどに寄付される。昨年集めた寄付金は、3つの団体にそれぞれ1万ドル(約105万円)ずつ合計3万ドルが渡された。
主催団体「ベアーズ・オブ・サンフランシスコは」は、州政府からNPOの認可を得ている。その主な目的は「Found Riseing」なのである。 もし認可を受けず、金銭が移動すると、そこには「税金」が科せられることとなり、脱税には厳しい罰則がある。よって、全米各地にあるベアクラブは、日本よりはマシではあるが、NPO法人格を取得しているのである。
私は、いつもこの点が羨ましく思うのである。アメリカ人の気質といってしまえば、それで終わりであるが、自分たちが楽しんで、それに相当する対価を間接、直接問わず、自らの判断で支払い、それが、GLTBQの「コミュニティ」に還元されるのである。 日本ではどうであろうか。まずどうやって、寄付を集める方法がわからないであろう、集めたら、その寄付金をどこへ寄付出来るであろうか。
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