ブリザードINニューヨーク
先週末から、3泊でニューヨークへ行ってきた。アメリカには、年に数回訪れるがNYCは初めての訪問である。片道12時間を超えるフライトはやや辛かったが、閑散期である今、飛行機の中がやや余裕があり、充分睡眠が取れたため、今回の渡米は体調はすこぶる良かった。
金曜午後に定刻にケネディ空港へ到着し、5ドルもする空港、地下鉄駅間の連絡交通「エアトレイン」でジャマイカ駅そして、地下鉄を使い約1時間でホテルに到着した。ニューヨークは、特にホテル代が高い。1月末という超閑散期であるにも関わらず、1泊100ドル以下のところを探すのは至難の業であったが、ネット駆使して、チェーンホテルのサイトで87ドルのところを見つけた。税金も高く、1泊当たりの合計は100ドルを超えた。アメリカは旅行するのは、基本的に「2人」(夫婦)を単位と考えているので、1人でも2人でも部屋代は同じところが多い。独り旅だとチトつらいが、外で見つけた人を堂々と招き入れることも出来るわけで、それはそれで都合が良いのかもしれない。
レストランもやはり二人以上いないと、注文に困ることがある。だから、一人の時のはファストフードを使うのが多い。今回も、ホテルの並びのピザ屋で、日本のLLサイズのピザの8分の1位の大きさのピザ2切れを4.5ドルで買っておいた。
金曜日の予定はクリストファーストリートにある「ダッグアウト」というバーで、地元のメトロベアの集まりがあるので、それに参加することである。アメリカのバーは盛り上がるのは比較的遅い。今回も訪問する時間は9時と決めた。私のホテルのロケーションの決め方はゲイエリアに近いことが絶対に近い条件で、今回も地下鉄で2駅くらいしか離れていない。ニューヨークは古い町で、道がごちゃごちゃとしている。碁盤の目になっていないので、わかりにくいところがある。クリストファーストリートは、冬のためか、意外とひっそりしていた。レインボーフラッグが所々にはためき、レザーショップのウインドウには、フェティシュの小間物が並んでいた。
バー「ダグアウト」はクリストファーストリートの一番端、ハドソン川に近いところにあった。店内にはいると、今日のこのバーのホスト役である、メトロベア(MBNY)のミスターメトロベアとミスターメトロカブベアの二人が迎えてくれた。
サンフランシスコの「ロンスター」に入り浸っているため、バーの大きさ、参加している人の多さなど、かなり控えめではあったが、MBNYの方々と散々話し、1杯3ドルのビールを何杯ものみ、あっという間の3時間半であった。やはりベアコミュニティの人々はどこへ行っても優しい印象だ。
土曜日。朝からテレビを見ていると、午後から大雪が降るという。行動するのは午前からしかないと思い、マンハッタンの真ん中にあるメトロポリタン美術館に出かけた。11時前に入館したときは曇天ながら雪は落ちていなかった。私は時に美術に造詣が深くない、が、この美術館は特別だ。大英博物館にも行ったが、この美術館のスケールは凄い。ギリシャ彫刻の展示室を出ると、アフリカ美術、そこを出ると、モダンアート、気が付けば目の前にピカソが架かっている。歴史的な部屋をそっくり移設しているコーナーもあり、そこを出るとエジプトの巨大な石の建築物が現れたり。本当にワンダーランドであった。美術館を出ると雪は本格的に降り始め、道はすでに雪に覆われていた。次の行動は今晩の食事の確保であった。これは前から調べておいたチャイナタウンへ行って調達しようと思い、地下鉄でキャナル通りへ。雪はもう20センチぐらい積もっていたが、買い物客はごったがいしていた。中国料理店はたくさんあるものの、お目当てのお持ち帰り専門店が無く、雪の中1時間ほど彷徨したが、あきらめて、NYで一番大きな駅グランドセントラル駅へまた地下鉄で戻り、地下のフードコートで、中華とサンドイッチを買い、ホテルへ戻った。例のピザ屋兼コンビニでビールを2パイント程買い。これで、雪で都市機能がマヒしてもどうにかなる目処が付いた。テレビの天気予報は「スノーシャワー」ではなく「ブリザード」を連呼していた。
日曜日。雪は小降りになっていた。しかし除雪していない歩道は30センチほど積もっている。気温は土曜より寒く華氏10度以下(-12)程度まで下がっている。雪は、パウダースノー。その中で、昼食を取るべく、歩いてチャイナタウンへ歩いていった。お目当ては「麺」。半分くらいの店は休んでいたが、探しておいたレストランは開いていた。昼だったが、客は私独りで、「ワンタン麺」を注文した。細めの麺、薄目のスープ、ワンタンの中身はエビも入っていた。チップ込みで4ドルであった。
雪は止んできた。地下鉄はいつものように動いている、それでは次の目的地「アメリカ自然史博物館」へ向かった。セントラルパークにほど近いところにあるこの博物館は、アメリカ最大の規模を誇る博物館だ。休みはクリスマスと収穫祭の時しかないはず。しかし、休みであった。このまま、ほかの博物館へ行っても休みだろう、とあきらめ、地下鉄「1」線で、コロンブスサークル駅へ。この駅前に大きなショッピングモールが去年出来たと聞いていた。要はCNNの入っているビルの低層階がモールとなっていて、高級ブランドの店が並んでいる。コンコースは広く取ってあり、座り午後地の良いソファーが置いてあり、居心地がよい。また、地下が「スーパーマーケット」となっており、生鮮食料品やデリカテッセンも売っていたが、値段は高め。
このころになると空は晴れてきた。日曜日の午後金曜日に行った「ダグアウト」でビアパーティがあると聞いていたので、少し早いが向かった。早すぎた。客が3人しかいない。大雪のあとどれだけの人が来るかは未知ではあったが、少なすぎる。それでも、2時間近くねばったが、客は10人ほどになっただけで、金曜日に見かけた人も居ず、あきらめて次の店へ向かった。クリストファーストリートはTy’sという店がダグアウトと並んで有名だそうだが。こちらは雪で臨時休業であった。
全米には「イーグル」という名前のゲイバーがある。別にフランチャイズでも、支店、本店というわけでなくアメリカのレザーバーは「イーグル」という都市が多い。サンフランシスコ、ワシントン、シアトル、シカゴなど老舗が多い。
私はレザーに対してフェティシュを持っている。アメリカにベアコミュニティが無かった頃は、もっぱら各地のレザーバーへ通っていた。また、ベアコミュニティはレザーコミュニティに近いところにある場合が多く、レザーバーをホームバーとしているところが地方都市では多い。
さてNYの「イーグル」ではあるが、本来はクリストファーストリートにあったが、市政の方向性により、老舗が閉店していったそうだ。新生イーグルは28番街の外れにあった。周りには倉庫街のようになっていて、このロケーションの怪しさは、レザーバーの場合はプラスに作用する。
重いドアを開け、同じく重い革製のカーテンを開けた中は、意外と広く、客もちらほらといた。ここは3階建てになっていて、客が増えると上の階を開放していく。今日は1階だけの営業だが、1杯ビールが2ドルというサービスデーであり、7時を過ぎた辺りからリニアに客が増えだした。バーテンのルックスの良さもさすがである。
レザーバーで人から声をかけられることは滅多にないのは、この十何年の学習でわかっている。ベアコミュニティは比較的フレンドリーだが、レザーコミュニティは、あまり優しくない。また9割までが白人のコミュニティで、非白人を不得手とする人も多いことも十分承知している。
目の前で、ビリヤードをしている、その周りで、連れ立ってきた仲間達がビール片手に話している。カウンターでは、男臭い顔をしたバーテン達が酒を売る傍ら、常連客となにやら話している。そいて、店内のあちこちで、私を含めてぽつんと独立して、あてなくビールを飲んでいる。友人と待ち合わせか、いや、殆どがハッテン目的の男捜しであろう。しかしながら、過去の経験から見て、男捜しが成功する確率はとても低い。
私は楽しく、独りでビールを飲んでいた。殆どその店の人からは隔絶されていながら、寂しくない。もちろん景色がよいのも理由ではあるが、そこにいるだけで充分なのである。軽く酔っぱらっているアタマで、東京にこんな居心地が良いところがあったらな、と考えていた。結局2時間ほどでそこを辞して、ホテルへ向かった。
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