38229
公職に身を置く立場なので、今回の選挙については、おもてだっては関わらないようにした。 今回の選挙で尾辻候補がどのような結果に出るかとても興味を持って見ていた。
報道からの数字によると比例区に「尾辻かな子」と書いた有権者は38229人。 たったこれだけの数だったのである。
報道各社も彼女を有力候補として取り上げ選挙速報番組の途中で尾辻事務所からの中継を入れた局もあった。 また、出口調査においても、舛添要一と並ぶほどの調査結果も出ていた。
日本のLGBTには、もはや、「コミュニティ」というものが存在しないのを証明したように感じられた。 国民性として、日本人は政治に関心が薄く、かつ、GLTBは意外と保守層が多いのではないか。 わざわざ大騒ぎして同性愛者の国会議員を選出しなくても、いまのまま、変わらず、ひっそりとあるいは隠れてGLTBとしての人生を歩んでいっも構わないと思う人が、日本のLGTBの人たちの大方の価値観ではないであろうか。 その中には、「連帯」とか「コミュニティ」とは関係なく、強いて言えば、それらから遠ざかりたい人が考えている人が多いことであろう。
今回の尾辻氏の選挙戦も彼女なりに努力をされたと思う。 しかし、LGTB票をあてしたのは、しょうがないとは言え、選挙戦略としては間違いであったのではないかと考える。
彼女の選挙活動を端から観察していたのだが、そこに集まる人が、ほとんど同じ顔ぶれなのである。各地の選挙行動においても、地元のゲイアクティビスト達があつまり、一般のゲイやレズビアン達に彼女は何かのアピールが足らなかったこと。 仕方がないことではあるが、彼女は「女性」であり「女性」を嫌う「男性」ゲイも多いという現実もある。
政治が右に偏る中、少しだけ危機感を持った人々が野党に票を入れた。 それはそれで意義のあることではある。 その波に乗り、性的マイノリティを政界に引き入れるのは、やはり日本では無理であった。 民主党の圧勝を受けて今回は大チャンスであったのである。
こんご、尾辻氏が再びチャレンジされるかわからないが、この票数では政党はLGTBは「票にならない」と思われても仕方あるまい。 この結果で、今後のGLTB国会議員が誕生することが、一段と難しくなった。
LGTBの人たちがLGTBではない人と同じように暮らせる世の中はまた遠ざかった。
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コメント(2)
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Yesturday
同じ事を感じました
彼女を毛嫌いする人にこそ
彼女の話を聞き 理解し 票に結びつけることが
大切だったのに
そうでなければ
当選後も彼女は孤立してしまうような気がして
『隠れなくていい』と
『わざわざ大事にしないでほしい』の差は
東京のパレードでさんざん言われてきたから
ただ険しい道のりだが
彼女とその支援者は
また一つ階段を昇った気がする
日本のGLBT人口がどの程度かは知りませんが、ある程度期待していました。
しかし、あまりの得票数の少なさに落胆したというのが正直な感想です。
政治への感心が薄いのか・・・
現状で十分なのか・・・
一人の当選では何も変わらないと思っているのか・・・
期間中に私の周辺でこの話題があがることは、残念ながらほとんどありませんでした。
(一人からメールが来たのと、私から話をした人は立候補していることも知らず)
大躍進した党からの立候補にもかかわらずこの結果では、公認を受けての国政への立候補は、益々ハードルが高くなりますよね。
もし今回の立候補者がLではなくてGだった場合も、同様の結果になったのだろうか・・・