新木場事件の検証セッション
この前の水曜日、新宿コミュニティセンターaktaにて、AGP(同性愛者専門者会議)主催で、「新木場事件を考える」というトークセッションが行われた。 企画を立てたのが1週間前という、急な催しであったが、会場には、立錐の余地がない70名の参加があった。
事件は、先月東京江東区新木場の公園で、ゲイの人が複数の高校生から強盗、暴行を受け、3週間の怪我を負ったもので、被害者が警察の届け出たために、マスコミに伝わり、一般の人の知るところになった。
この事件について、例のSNS(ミクシイ)で、事件が伝わり、それにコメントを付ける人が続出した。 当初は、異性愛者のコメントが多かったようだが、段々、ゲイ同士の論争になっていった。 その中には、「自業自得」を言う人が居れば「リスク管理」を持ち出す人もいたようだ。
このセッションについては、スピーカーに、SNSで論争をした当事者や、前に同じ新木場で殺人事件が起きたときに、野外系ハッテン場掲示板の管理をしていて、前の事件をずっと見守った人など5名であった。
SNSでの経緯、やはり「リスク管理論」、ヘイトクライムとしてこの事件を見た、暴行したのが高校生ということで、教育問題、などがスピーカー達から発せられた。会場からは、「もっとゲイの立場に立って論じたらどうか」の声や、「ゲイがゲイを忌避するのは何故か」、スピーカーにゲイ雑誌ライターがいたためか、「雑誌はどのように、野外系ハッテン場を扱ってきたのか」などの意見や質問が寄せられた。
2時間以上に及ぶ討論において、特段、何か結論づけるものは出なかった。 しかし、これは、行う前から承知のこと。
このことが、とても重要なことであり、また、感動した。 夏休みとは言え平日の夜に、組織的でない70名もの人が、真剣に討議に耳を傾け、それぞれ考え、そして発言をする。 いままで、このような場があっただろうか。
今回はたまたま、嫌な事件が起き、ネットの上で活発な論議が行われ、そして、実際の話し合う場が設けられた。
思わぬ副産物だとは思うが、今後も、このような討論会は是非必要だし、それをオーガナイズする団体もぜひ必要だ。 今回企画した、W氏やAGPには、今後もどんどんこのような会をやってもらいたい。
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