「野郎」の語源
ちょっと調べて面白かったので引用する。
このことについてはミクシィの日記にも書いた。
売色をしていた男子のことを、「かげま」「野郎」「若衆」などと呼んだ。それぞれに区別があり、時代と共に変化している。盛んに売色をしていたのは、若衆歌舞伎の少年俳優たちであり、その容姿は花に例えられ、女と見間違う、あるいは「見る者李夫人にうたがい、聞く者楊貴妃に訝る」とまで歌われるほどだった。しかし彼らに現を抜かし、互いの気持ちを証明するために股を小刀で突くなどの刃傷沙汰が一般に広がったため、幕府は若衆歌舞伎を禁止した。
とはいえ、営業者も工夫をした。これに代わる売色者「野郎」が現われたのだ。この「野郎」にも種類があり、舞台を踏む者を「舞台子」「板付」、男役をする者を「若衆形」、女役をする者を「若女形」などと細かく分かれているのだ。幼い頃より、役者・売色者両方の修行を積まされる。彼の有名な “芳沢あやめ”は、幼少の頃より橘屋五郎左衛門に囲われ女に仕立て上げられた。服装、動作はもとより、考え方も女そのものであり、あやめ自身
「心の底から女にならなくては女形は勤まらない」
と言っている。
また、舞台子にもなれないような者や、色々な事情がありやっていけなくなった者は品の低い「飛子」となり、世話役の「金剛」と共に諸国を巡り出稼ぎをしたようだ
。
参考文献「本朝男色考 男色文献書志(合本)」岩田準一
「江戸男色考(色道篇)」「江戸男色考(若衆篇)」柴山肇
「江戸の盛り場」海野弘
「諸艶大鏡(対訳西鶴全集二)」麻生磯次・冨士昭雄訳注
PS:写真は先月発売された新書y 135
江戸の男色 白倉敬彦・著 のカバー
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