Gay Community: 2007年12月アーカイブ
一般的に、ネイションと書くと、国家をイメージされるかもしれない。 しかしWikiでネイションを引くと
====以下引用====
民族(みんぞく)とは一定の文化的特徴を基準として他と区別される共同体をいう。土地、血縁関係、言語の共有(国語)や、宗教、伝承、社会組織などがその基準となる。日本語の民族の語には、近代国民国家の成立と密接な関係を有する政治的共同体の色の濃いnationの概念と、政治的共同体の形成や、集合的な主体をなしているという意識の有無とはとはかかわりなく、同一の文化習俗を有する集団として認識されるethnic groupの概念の双方が十分区別されずに共存しているため、その使用においては一定の注意を要する。
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となり「民族」と訳すのが正しそうである。
LGBTのコミュニティの中で、ベア・コミュニティはこの「ネイション」に属すのではないか、と友人の大学院生が言っていた。
上記のWikiの引用のなかで「同一の文化習俗を有する集団として認識されるethnic group」、Gayベアは、外見上非常にわかりやすい身体的特徴を持っている。 そして、Gayベアは、他のLGBTのグループよりも「群れたがる」性質を持っていると感じる。 すべてのLGBTのコミュニティを観察したわけではないが、USA及びヨーロッパにおいては、Gayベアのコミュニティへの組織率や活動が非常にアクティヴである。 多少例外があるが「Gayの白人で、髭や体毛を有し、体格が良いこと」が前述の「同一の文化習俗を有する集団」に合致するのである。 USAで行われている、大きなベアイベントは、総参加者が2000名を超える。 北米、ヨーロッパにおいてもローカルなベアクラブを通じて、あるいは、インターネットのベアサイトなどで「群れ」を作っている。
ベアコミュニティの歴史はUSAにおいてもまだ浅く、表面に出てきてからまだ20年ほどしか経っていない、しかしながら、ネットの時代を迎え、簡単に「共同体」にアクセスできる環境が整ってきた。
いままでUSAでは、ベアコミュニティはLGBTコミュニティの中でも、メインストームではなく、ニッチな存在と思われてきたと感じるが、ここ数年、さらにベアコミュニティは強固になってきたと感じる。
例として、「A Bear's Life」という雑誌である。 これは「Gayベアがライフスタイルとして、Gayベアとしてエンジョイするため」の雑誌であり、この手の雑誌の常識であるエロティックな部分が全くない。 Gayベア向けの「暮らしの手帳」である。
またCompelte Bearというサイトは、ベアコミュニティのリソース&ポータルサイトである。 今までにもリソースを提供をするサイトはあったが、このサイトは総合的であり、ビジネスとしてのベアコミュニティを考えている。
Gayベアについては、もっと研究がなされても良いとおもう。 唯一、Les Wrightという方(何度かお会いした)が「Bear Book」という本を出版している。
日本でもGayベアを組織しているが、USAやヨーロッパと比べるには少し無理がある。 ethnic groupとしては、アジア人としては絶対的な数の少なさ(Gayベアとして資質を持ってるGayの数)、社会的背景や個人のGayとしての受容や、「コミュニティ」という感覚の意識が欧米と決定的に違うために、ethnic groupとして成り立たないのである。 これはGayベアコミュニティに限らず、日本のLGBTコミュニティ全体に言えることである。
これから日本も変わっていくのであろうか。 私には解らない。 今年は選挙絡みでLGBTコミュニティが語られたが、選挙後はあっさり廃れた。 次世代に期待して良いのだろうか。
Yesturday