Gay Community: 2006年11月アーカイブ
12月1日は世界エイズデーである。
今から16年前、東京都は初めて、無料でHIVの検査を行った。 場所は、中野サンプラザ前の広場であった。 今とは、プライバシーと感覚が全く違っていて、匿名は許されず、住所、氏名、年齢を書かされた覚えがある。
サンプラザ前には、野戦病院のようなテントが並べられ、おおよそ、プライバシーの配慮に関してはなかった。
また、検査結果通知後の、フィードバックのアンケート用紙にも、通知書番号が印刷されていて、誰が、どう答えたかわかってしまうものであった。 私は、この番号を切り抜いて、答えた。
いま、大方のゲイにおいては、HIV・AIDSの話題をしていない。 無関心ではないはずだが、周りに、感染者がいないので、話題に上らないのである。 実際は、感染者達が黙っているだけで、日本のゲイのコミュニティのHIV増加は、大問題なのである。
確かにここ数年、新しい薬が開発され、ある程度HIVをコントロール出来るようになった。 HIV感染=死という図式は、無くなった。 しかし、最近では、40歳代以上で、AIDSを発症してから、感染がわかるケースが増えていると聞く。 この場合、感染後10年近く経っており、最近の薬をもって治療しても、結果は芳しくないと聞いている。 やはり、HIVは大変な病気には変わりがないのである。
感染初期にわかり、状態をモニタして、適切な時期と、薬剤治療をすれば、ほぼ、HIVで、命を落とすことは無くなったと言えよう。 しかし、基本的には、生涯、抗HIV薬を飲み続けなければならないし、耐性株の出現によって、薬を変えていかなければならない。
現在は、健康保険、更正医療制度、高額医療費公費負担などで、高価なHIV薬もある程度の負担で購入することが出来る。 しかし、感染者が増え、公費の支出が増えると、このような援助は簡単に打ち切られるのが、いまの日本国の行政である。
感染爆発を起こさないよう、まず知ること、そして行動。 国際エイズデーをきっかけに考えて頂きたい。
Yesturday