Lonestar: 2006年10月アーカイブ
昨日、10月22日に、関西で初めてのLGBTのパレードが行われた。 私は、東京、札幌、そしてこの大阪のパレードにも参加し、御堂筋を歩いた。
参加者は、主催者の予想を超え約900人であったことが、エンディングで報告された。 これは、実際に歩いた人数であって、沿道で見ていた人は当然この数に含まれないので、実際にはこの数字の倍くらいのLGBTの人たちが、あつまったのではなかろうか。
パレードの本質論は、今回はパスして、東京、札幌、大阪で実際に歩いたり、フロートの運転をしたりして感じたことを述べようと思う。
最近雑誌「ジーメン」紙上で、TLGP(東京)のパレードの顛末についての記事が掲載された。 要約すると、天候が悪化した事態もあり、フロートと本隊がバラバラになってしまったこと、事前に警察にパレードについて、フロートについての許可を求め、おおまかなところでOKはもらっていたはずだったが、4つの警察署を跨ぐ関係で、それぞれの所属の警察官に「温度差」があり、一部、フロート荷台に、人を乗せることが出来なくなった事例や、乗車中に降車の命令まで警察官から発せられたことである。
私が運転した札幌レインボーマーチのフロートには、札幌中央署の許可で、荷台に最大8名まで乗車を許可している。 また、当日、路上に立っていた警察官達も、非常に好印象をドライバーの立場として思った。
さて、大阪であるが、札幌同様、大阪府知事、大阪市長から、この催しの挨拶文を取り付けたのは、さすがである。 尾辻大阪府議のお膝元でもあろことでもあるし、是が非でも「挨拶文」をとりつけたのであろう。 この文書は、前日のHIV・AIDS啓蒙イベント「Plus+」のパレードブースで配れれていたパレードのガイドブックに差し込まれていた。
実際のパレードは、フロートが2台と、地味ではあったが、警察官の対応は、札幌までとはいかないまでも、威圧的な態度は皆無であった。 さすがに、札幌のように、パレードにあわせて信号のタイミングを調節するようなことはしていなかったが、不快になることは無かった。
初めてのパレードとしては、大成功である。
本当に東京の警察の対応は呆れるくらい悪かった。 当然、警視庁は東京都の機関でもあるので、石原都知事の意向が反映されるのは当然ではあろうが、あまりに酷すぎる。 パレードに限らず、HIV・AIDS活動への東京都の補助は「同性愛」文言が入れば即座に却下されるとまで言われている状態である。
我々も、もっと、身近な政治を意識し、行動していかなければ、事態が良くない方向に向くことを肝に銘じなければなるまい。
今年、3カ所のパレードに参加してみて、警察官達の態度だけ見ても地域差、温度差を感じる。 大阪の行政はもともと同和の問題など、真剣に取り組んできた経緯がある。 当然、性的マイノリティ達を擁護するの事を判断することも迅速に行われたのに違いない。
話しは少し外れるが、先日のNHKテレビ「クローズアップ現代」で、大阪の被差別部落出身でそのことをカミングアウトした方が、出演されて、話された言葉の中に、マイノリティがマイノリティとして、他の人たちと一緒に生きていこう、と言った旨の発言をされていたが、マイノリティの例として「元ハンセン氏病の患者の方々」「同性愛の方々」と話されていた。
我々は、性的少数者であることは間違いない、しかし、その中から、他のマイノリティの方々と手をつなごうと考える人が、ほとんど出てこないのは何故だろうか。
こう考えてみると、パレードも、徐々に進化しても、いいのではないであろうか。
Yesturday