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2005年04月07日

将来はバラ色の人生?

 「生きがいと社会的使命」、「社会に対してゲイが生きる意味を考える」ということを、玉野さんのブログ「玉野シンジゲート」の中でおっしゃってる。 また、「Ankhで乾杯!やっぱり泡盛さー」の「ゲイの幸せってなんでしょう?」でたいへいさんも、ご自分の店の経営者の立場からの見方で、ゲイの生き方について書かれておられる。 私も40歳もだいぶ過ぎたいま、ふと考えることがある。

 私の世代は、いまの時点では、自分の与えられている「仕事」に昇華させている人が多いのではないだろうか。 もし、ゲイでひとり暮らしならば、当然働かねばなるまいし、順調に勤続していれば20年。管理職の声がかかる時期だ。 民間企業はもとより公の職場でも人員削減の煽りをうけ、「人が少なくなり、仕事が多くなった」職場が多い。
 今の職場では、既婚、未婚で人事を判断するような会社は、以前と比べると少なくなっている。 賢い経営者なら、配偶者を持ち、子供を持って、何か将来的に不安定要素を持つ既婚者よりも、それらの心配の少ない未婚者のほうが、いろいろな意味で使いやすいという判断もあり得る。

 殆どの独身中高年のゲイは、「仕事」に生きがいを感じておられるのではないか。「仕事」以外に生きがいを見つけ出すことは、実は、難しい事なのではないか。

 私は、自分への束縛が少ない職場を敢えて選んだ。 そして、決して仕事の手を抜いたわけでは無いけれど、役職に就くのを断り続けた。 役職について得られる肩書きと、僅かに上昇する賃金と、束縛される時間をはかりに架けて、迷わず、時間をとった。

 約20年、それに賭に勝ったかどうかは解らない。 しかし、普通の勤め人では叶わないことをたくさん行ってきた。 たくさんの人と会い、話し、そして恋愛をしたことである。 ゲイの組織を運営しているのも、私にとって「社会に対してゲイが生きる意味」である。 これは私のセクシュアルオリエンテーションと直結しているのだが、生涯やっていきたいと思う。

 「生きがい」を感じられるのは、第一に、その人が、まず、普通に生活出来るところから始まると思う。 食料や居住が不安定だと、「生きがいも」何もなくなる。 現在20歳台の二ートの人たちは、その年代から、まだ「生きがい」を感じるよりも、「本能」で動いているかもしれない、しかし、彼らが、中高年域に入ったら、今よりも問題が深刻化するのではないだろうか。 それとも、欧米のように、経験があれば、よりよい職場に簡単に転職できる世界が日本に訪れるのであろうか。

 私は、職場には恵まれてたと思う、しかしながら、仕事に「生きがい」を求めたことは無い、あくまでも生活するための、自分の時間の切り売りだと考える。これから、私の職場がどう変化していくのかは全く解らない状態であるが、あと、17年しがみついていこうと思う。 
 この年齢では、もう転職は無理であるし、手に職があるわけでもなく、持っているそれぞれの知識も趣味の延長線上である。

 将来の事は、全く「バラ色」に見えない。 職場を退職した後の老後設計が、全く出来ないことである。 出来ないというよりも、するのが恐いというのが正直なところである。 私のように、将来は親無し、兄弟無し、親戚無し、もちろん子供無しの天涯孤独状態になることがわかっている人は、とにかく、生きている限りは、自分で何とかしなければならないのである。 しかし、将来受け取れる年金はどうなるかは、全く信頼できないし、退職金制度も17年後はどうなっていることか。

 60歳で退職して、貧しいながらも生活できて、パートタイム程度の軽い勤務で稼いだ金で、好きな趣味を楽しむ、ということは、絶対に無理である。
 現実的には、退職後もフルタイムに近い形で働いて、賃金は現役時代の半分以下、そして、そのころには、何かしらの慢性的な病気を持って、やっとの事でその仕事をこなし、たまの休みは寝て過ごす。 「なんのために生きているの?」状態になるのではないか。もうこうなるとゲイだろうが、ストレートだろうが関係なく人間としての「生きがい」の問題になるだろう。

 悲観的すぎるであろうか。 将来はこうなることを自分を予測していながら、何もしていないのは私の怠慢である。 43歳の現在があまりにも楽しいので、それに甘んじている自分がある。 「今は、今だから」と、将来のことを余り考えないで、強く動いている自分がある。 

 蟻とキリギリスの話しがあるが、私は間違いなくキリギリスである。

投稿者 tokyobear : 2005年04月07日 15:01

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